あらすじ
2026年11月末。
冬の訪れを迎えた東京では、なぜか半袖姿の人々が増え始めていた。
目黒区警の巡査・本郷聡は、いつもと変わらない街を巡回し、顔馴染みの親子と何気ない会話を交わす。
しかし、そのわずか一時間後。
大型商業施設で発生した傷害事件。その現場にいたのは、つい先ほどまで穏やかに笑っていた、あの母親だった。
時を同じくして、首都圏各地で不可解な暴力事件と原因不明の発熱が相次ぎ始める。
警察官、医療従事者、行政官、教師、そして一人の若者。
立場も境遇も異なる人々は、少しずつ日常を失っていく東京で、それぞれの守るべきものと向き合うことになる。
これは、ある感染症によって発熱した首都と、そこに生きた人々の記録である。