あらすじ
おばあさんにリンゴを届ける途中、森の穴に落ちた赤ずきんの少女リタ。たどり着いた先は、車が走り、夜も明るい異世界――現代日本だった。
彼女を助けた高校生・道瀬遥には、壁に通り道を開く力がある。ただし出口にできるのは、自分が行ったことのある場所だけ。リタの赤いずきんは歩いた道を糸でたどれるが、森への糸は何者かに食いちぎられていた。
遥と叔母の家へ身を寄せたリタは、帰る方法を探し始める。街で起きる「帰れなくなる事件」、家族の声をまねる男、そして一年前に消えた遥の妹。帰り道を追うほど、二人の願いは一つの謎につながっていく。
「おばあさんが待っているから、かえりたい」
リンゴの籠を抱えた少女と、扉を開くことを恐れる少女が、奪われた帰り道を取り戻す現代異能ファンタジー。