あらすじ

前田樹は、あるライトノベルを何ヶ月も読み続けていた。 文章は完璧。世界観もよく練られていて、登場人物たちの関係性まで丁寧に描かれている。 それなのに、どうしても好きになれないものが一つだけあった。 主人公だ。 何かあるたびに文句を言い、人のせいにする。自分の非を認めようともせず、周囲に迷惑をかけてばかりいる。 しかも、続編が出るたびにますます酷くなっていった。 まるで、主人公を踏み台にして脇役を引き立てるような物語だ。 ついに我慢の限界を迎えた樹は、こう吐き捨てた。 「俺が主人公だったら、こいつよりもっと上手くやれるのに」 ……その発言は、少しばかり不運だったのかもしれない。 その直後、樹はそのライトノベルの世界へと転移した。 ただし、そこには本来いるはずの主人公が存在しなかった。 樹は、物語の続きを知っている。 これから何が起こるのかも、ある程度は分かっている。 これなら、自分はもっと上手くやれる。 そう思っていた。 けれど―― この世界は、本の中にある世界ではなかった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/10/07
  • 現在の作品ラノベの知識だけで異世界を生き抜けると思っていた