あらすじ
「キャズメ…… キャズメ……」
白く、異常なほどに深く立ち込める霧の中から、自分の名前を呼ぶ囁き声が聞こえた。
ただの悪夢だと自分に言い聞かせる高校生のキャズメ。しかし、現実は少しずつ、確実にその異常な霧に侵食されていく。
浴室を支配する不自然な湯気。物陰からじっと見つめる、決して瞬きをしない深紅の瞳。そして中庭で出会った、髪の色を灰と黒に目まぐるしく変える謎の少女――。
孤独を好む少年が、夢と現実의 境界線で「忘却の恐怖」と「人の温もり」に触れる、緊迫と静寂が織りなす現代サイコホラーファンタジー。