あらすじ
――冗談ではありませんわ。
三百年分の悪名、督促状一枚でひっくり返して差し上げます。
目が覚めたら、値札がついていた。
公爵令嬢ロザリンデが三百年の石化から目覚めたのは、没落した美術商の物置。
寝癖頭の若当主テオは、真っ青な顔で告げる。
「あなたは法律上、私の所有物です」
この国では、石化から戻った者は「出土美術品」。
人権なし、財産なし、外出には所有者の許可が必要。
自由になるには、自分の評価額と同じ「解放税」を払うしかない。
そして評価額は、悪名が高いほど跳ね上がる。
国一番の伝説の悪女、時価・金貨八万二千枚。
目覚めたことが新聞に載れば、一晩で十二万枚。
(褒められているわけではないと知り、お嬢様は大変ご立腹)
借金まみれのテオは、彼女を王立博物館に売るつもりだ。
館長は穏やかに微笑む。
「動く必要はありませんよ。像なのですから」