あらすじ

――朝、目が覚めると、頬が濡れていた。 昨日の自分が、何をしたのか、思い出せない。 鳴海朔には、秘密がある。 記憶は、ある時間を境に、ぷつりと途切れる。 気づけば知らない場所にいて、覚えのない疲れだけが、体に残っている。 彼をこの世界につなぎとめているのは、たった一冊の〈共有メモ〉だけ。 ――ある夜。そのメモの、いちばん下に。 誰が書いたのかも分からない、灰色の一行が、灯った。 【よくできました。あと三問】 なぜ、この一行は、消しても消えない。 なぜ、僕の記憶は、こんなにも途切れる。 問いは、事件を呼ぶ。 事件は、逃げ出したはずの、家族の影を連れてくる。 消された記憶。密室。偽られた時刻。そして、"別人になった"親友。 誰の痛みも、道具にはさせない。 たとえ、それが――自分自身の、いちばん古い傷でも。 命じられてではなく、自分の意思で。 彼は、探偵になる。 事件が、一つ解けるたび。 あの喫茶店の窓辺に、名もない花が、一輪、増えていく。 救えた人の。救えなかった人の、数だけ。 『オルフェウスの共有メモ ―SPLIT LOG―』 ――そして、まだ誰も知らない。 この街の、"あちら側"に、何が待っているのかを。 あなたは、"自分が誰か"を、証明できますか。

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カクヨム
カクヨム2026/10/06
  • 現在の作品オルフェウスの共有メモ —SPLIT LOG—