あらすじ
「第五等級です」
そう告げた瞬間、少年の父親は、もう息子を見なかった。
ハズレスキルを授かった子どもたちは、家からも、将来の仕事からも追い出される。
下級神官ヨハンに、その判定を覆す権限はない。
ただし、彼自身のハズレスキル《注釈》には、誰にも明かしていない使い道があった。
技能の名前だけでは分からない、本当の条件を読めるのだ。
《後回し》は、傷を消す力ではない。治療を受けるまで、結果を先送りする力。
《余りもの》は、無から何かを生む力ではない。捨てられる端材を、使える材料へ戻す力。
だからヨハンは、追放される子の掌にだけ、一枚の紙を忍ばせる。
そこに書くのは、使い方と、決して越えてはいけない限界。
七年間、二十三通。
その後を知らないまま書き続けた彼のもとに、ある夜、一通の手紙が届いた。
『二十三人は、全員生きています』
――そして教会も、秘密の手紙を調べ始めていた。
外れを告げる神官と、外れと呼ばれた子どもたちが、自分の居場所を取り戻していく異世界ファンタジー。