あらすじ
十歳のとき、時間を操る唯一無二のスキル《時の破者》を授かったレオン・アルヴェイン。
時間停止、時間遡行、時間加速――そのすべてを最大十分間だけ操る力と、鍛え抜いた風魔法を武器に数々の死線を潜り抜け、若くして冒険者の頂点であるSランクへ到達した。
金もある。
名声もある。
命を預けられる仲間だっている。
自分の人生に後悔などない――はずだった。
そんなある日、王都で楽しそうに笑う学院生たちを見たレオンは、とんでもない事実に気づいてしまう。
「……俺、青春してなくね?」
十歳から修行と冒険に明け暮れ、放課後の寄り道も、文化祭も、体育祭も、修学旅行も、学生らしい恋愛も経験していない。
しかも《時の破者》で戻せる時間は、たった十分。
失った十代には、どうやっても戻れない。
ならば――今から青春すればいい!
ちょうど届いていた王立アステリア魔道学院からの教師就任要請を受け、レオンはSランク冒険者を電撃引退。
実戦魔法の教師として、新たな人生を始めることになる。
ところが、教師生活初日から問題発生。
火魔法に過去の傷を抱える少女エマとの出会い。
個性豊かな生徒たちとの騒がしい授業。
そして学院地下から突如現れた、本来そこにいるはずのない五体の大型魔物。
しかも、その身体には何者かによって本来存在しない能力まで与えられていて――。
時間を止められる。
時間を戻せる。
時間を進められる。
それでも、過ぎ去った人生そのものをやり直すことはできない。
だからこそレオンは、生徒たちと笑い、悩み、失敗しながら、今という時間を全力で生きていく。
これは青春を逃した元Sランク冒険者が教師となり、生徒たちの止まってしまった《時の歯車》を動かしながら、自分自身の青春を見つけていく物語。
「教師だって青春したい!」
最強だけど教師一年生。
ちょっとふざけた《時の破者》の、騒がしくて優しい学院生活が始まる。