あらすじ
=あらすじ(ネタバレあり)=
王国の外れ、赤土の大地に広がる「王立魔獣保護区グランサバンナ」。
そこは、人里で討伐対象となった魔獣、親を失った幼獣、傷ついて野生では生きられなくなった魔獣たちを保護するためにつくられた場所だった。
そこで働く魔獣使いピットの毎日は、とにかく忙しい。
餌を食べない幼獣がいれば駆けつけ、怪我をした大型魔獣を治療し、脱走騒ぎが起これば草原を走り回る。相棒の小型魔獣モンや仲間たちと悪戦苦闘しながら、それでもピットは一頭一頭と向き合っていた。
魔獣は、人間を襲うだけの怪物じゃない。
怖がることも、寂しがることも、仲間を守ろうとすることもある。
しかしある日、保護区の魔獣たちが一斉に奇妙な行動を始める。
怯えるモン。移動する地中性魔獣。急激に冷える湿地。原因不明の体調不良を起こす飛竜。そして、古い資料庫の床下から響く謎の打音。
調査を始めたピットたちは、それらが別々の異変ではなく、グランサバンナの地下に眠る秘密へつながっていることを知る。
やがて保護区そのものを揺るがす危機が発生。
シェフたちの助けも借りながら、ピットは魔獣を排除するのではなく、彼らが発していた「声」を手掛かりに、人と魔獣の双方を守る道を選ぶ。
危機を乗り越えたピットたちは、さらに大きな挑戦を始める。
グランサバンナを閉ざされた保護施設ではなく、人々が魔獣の本当の姿を知るための観光地として開放したのだ。
魔獣を怖がっていた人々は、そこで生きる彼らの姿を自分の目で見るようになる。
そして数年後。
グランサバンナには、新しい学び舎が建っていた。
人と魔獣の間に立ち、命を守る――次代の「魔獣使い」を育てる学校。
その教壇には、相変わらず魔獣たちに振り回されながら走り回るピットの姿があった。
今日もグランサバンナは、大忙しだ。