あらすじ
稀代の悪女と呼ばれた元王妃が、断頭台で首を落とされた。
その瞬間、広場に女神の戯れ――時を遡る魔力のうねりが走る。
巻き込まれたのは、串焼きを盗み食いしていた不細工な野良猫の俺。
その正体はケットシー。
目を覚ますと、そこは魔物に襲われ、死にかけていた前回と同じ路地裏。
見下ろしていたのは、葡萄酒のように赤い瞳の少女だった。
「汚いわね」
未来の悪女に拾われ、蹴られ、投げられ、愚痴を聞かされる日々。
どうせこの子は悪女になり、またあの広場で首を落とされる。
俺には何もできないし、する気もない。
――そのはずだった。
見た目は猫、中身はケットシーな俺と、一度見たものを決して忘れない赤い瞳の少女。
これは、一匹の猫とひとりの少女が過ごした、時を超えた癒しの物語。