あらすじ
灯と澪は、小学生のころから毎朝、
坂の上の自販機で待ち合わせてきた。
夏はスポーツドリンク。
冬はココア。
「友達で、敵」を意味する
『フレネミー』と名づけた交換ノートには、
面と向かって言えない本当のことだけを書いた。
そんな二人の関係は、
澪の「三月に引っ越す」という一言から崩れはじめる。
その朝、事故に遭った灯が見たのは、
三か月後、澪が事故に遭う未来だった。
未来を変えたい。
澪をひとりにしたくない。
そのために灯が選んだのは、
すべてを覚えているのに、
「忘れたふり」をすることだった。
けれど、一つの嘘は、
守りたかった相手を少しずつ遠ざけていく。
嫌い。
うっとうしい。
友達じゃなかった。
そんな言葉の奥にあるものを、
最後まで名前にしない二人の物語。