あらすじ
つむぎ橋商店街の片隅、小さな不動産屋の二階に、小宮探偵事務所はある。
小宮まひろは、口数は少ないけれど、人の心の小さな変化をよく見ている探偵。助手の篠原は、そんな彼女をそっと支えながら、今日も一杯のコーヒーを淹れている。
この探偵事務所に舞い込むのは、殺人事件でも、大きな陰謀でもない。
この街の中で起こる、誰かの小さな大事件。
すれ違った友達。迷子になった猫。空き家に出るというお化け……。
――どれも、誰かの中でまだ言葉にならずにいる、小さな想い。
まひろたちは謎を解くだけではない。
その人が、自分自身の答えに辿り着くまで、そっと隣を歩いてくれる。
派手などんでん返しはない。
けれど読み終えたころには、少しだけ、誰かに優しくなりたくなる。
商店街の人々の日常に寄り添う探偵の、心温まる連作ミステリー。