あらすじ
一八九〇年、アルディア高原。
シーナ・セイルとパース・ロウエンは、羊を追い、風を読みながら、静かな牧場で暮らしていた。ところがある朝、牧草地から青く光る飛行石が発見される。
石の秘密を追って現れたのは、国土保全院のガレス・ヴァーン大佐。彼の目的は、かつて空に栄え、一人の独裁者によって滅びた環天文明を、新たな空中都市「新天環」として復活させることだった。
シーナを軍に奪われたパースは、旧友マドラが率いる飛行船《赤狐号》へ助けを求める。空賊、学者、軍を離反した若者、そして故郷を追われた人々。それぞれの思いが、一つの空へ集まっていく。
飛行石は、人の命令に従うための道具なのか。
それとも、人と大地の声を結ぶものなのか。
牧草地から空へ――。
失われた文明の力をめぐり、「支配」と「共鳴」が激突する、空と大地の冒険小説。