あらすじ
異世界に転生した俺を待っていたのは、魔王でもなければ、勇者でもなかった。
――整備されていない道路だった。
前世で北海道の開発に携わっていた俺は、ひょんなことから異世界の小さな国へ転生する。
文明水準は中世。舗装道路はほとんどなく、物流は滞り、雨が降れば道は泥だらけ。
ならば、と俺は道路を造ることにした。
道ができれば、人が動く。
人が動けば、物が売れる。
町が栄えれば、国も豊かになる。
……そう思っていた。
しかし、道路には建設費だけではなく、維持費がかかる。
橋には点検が必要で、街道には補修が必要で、冬になれば――当然、除雪もしなければならない。
「道路を造れば国が発展するんじゃないのか?」
「発展したからこそ、維持する金が必要なんですよ」
これは、異世界でインフラ整備に人生を捧げることになった男の、派手ではないけれど妙に現実的なスローライフである。