あらすじ

辺境の貴族ラーデン家の跡継ぎ、十五歳のアキトスは、家の書庫の奥で、古い記録の一枚を見つけた。 丸い輪のついた戸の絵と、かすれた一行。 ――火の山の中腹に鉄の戸あり。これを閉ざし、鍵は家にとどむ。 家庭教師のカーナイ先生と旅に出たアキトスは、岩崩れのあとのノーリアス大火山の麓の村エルトに着く。石運びを手伝い、宿の少年ティモと「山がまた崩れそうなら、真っ先に知らせに戻る」と約束した翌朝、崩れた山腹で、記録の絵とそっくりの鉄の扉を見つける。 先生がどうしても開けられなかった扉は、アキトスの手でだけ回った。物心つく前から首に下げてきた守り袋が、熱をもっていた。 通路の灯りがひとりでにともり、床の下から、こつ、こつ、こつ、と三つ。靴で三度鳴らすと、同じ数だけ返ってきた。 麓の年寄りが「地の底の悪魔」と呼ぶ岩魔。 胸の石が光るたびに動く、岩と金属の怪物。 自分の手でしか開け閉めできない扉。 空から降りてきて、アキトスの顔を見たとたん、表情を変えずに涙だけを流した男、カイエル。 崩れつづける山と、村の人たちを前に、跡継ぎの少年は、自分の目で見て、考えて、自分の手で動く。 鉄の扉と岩魔の遺跡をめぐる、一人称の冒険ファンタジー。全八話(第一部)。

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小説を読もう2026/10/06
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