あらすじ

死者の声が聞こえる。 それだけが、ラファエル――ラフィに与えられた唯一の才能だった。 火も、水も、治癒も、身体強化もまともに使えない。 死者の声を聞くことしかできない彼は、故郷の小さな教会と孤児院で働きながら、慎ましく暮らしていた。 そんなある日。 孤児院の冬支度のため薬草を採りに入った森で、ラフィは魔物に追われ、古びた聖堂へと逃げ込む。 その地下にあったのは、一基の石棺。 そしてラフィは、その中から聞こえてくる。 ――まだ、終われない。 死者の強い未練に手を伸ばした瞬間、これまで声を聞くだけだったラフィの力は、初めて死者に肉体を与えた。 蘇った男には、名前も過去もない。 けれど、なぜか剣だけは異常なほど強かった。 やがて「0(ゼロ)」と名乗ることになった死者とともに、ラフィは故郷を離れる。 死者を支配するためではない。 死者を兵士にするためでもない。 ただ、彼らがこの世に残した――未練を拾うために。 これは、不器用な死霊術師と名もなき死者が、生者と死者の願いを拾いながら歩いていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/10/06
  • 現在の作品死霊術師(ネクロマンサー)は、今日も未練を拾います。