あらすじ

「泣き声、もう少し抑えてもらえます? こっちも仕事なんで」 妻が手術室に運ばれて、まだ1時間も経っていない。廊下の長椅子で声を殺していた義母にそう言ったのは、隣の病室から出てきた撮影隊の男だった。事務長の許可は取ってある。マイクが音を拾うから、と。 妻は羊水塞栓。赤ん坊を助けるための帝王切開に同意して、俺が名前を書き終えたあと、男は手術室の扉を蹴った。 キャップをかぶった監督は、ヘリの延長代を払えと言う。こども病院へ向かう保育器の台車を掴んで、「先に払え」。 金を振り込んでも、床に額をつけても、台車は通してもらえない。 0時2分。赤いランプが消えて、手術室の扉が内側から開く。 この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

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カクヨム
カクヨム2026/10/06
  • 現在の作品手術室の前で「泣き声がうるさい」と言われたので、泣くのをやめた