あらすじ
婚約破棄したくて記憶喪失のふりをしたら、三日後、婚約者も記憶を失った。
伯爵令嬢ミレイユは、三年間ずっと婚約者テオドールに嫌われていると思っていた。
会えば目を逸らされ、会話はいつも「そうだな」だけ。
ミレイユはミレイユで、緊張しすぎて、毎晩書いた台本を読み上げることしかできない。
だから、落馬をきっかけに決めたのだ。記憶喪失のふりをして、婚約を白紙にしてもらおうと。
ところが三日後、テオドールが「大階段から落ちて記憶を失った」と知らせが入る。
「はじめまして」からやり直すことになった二人は、なぜか初対面のほうがずっと話しやすくて――。
二人とも、絶対に覚えている。
お互いだけが、それを知らない。