あらすじ

妻の真帆が手術室に運ばれた夜。 廊下の長椅子で義母が泣いていると、隣の病室から首にストラップを下げた男が出てきた。 「泣き声、もう少し抑えてもらえます? こっちも仕事なんで」 隣の病室では、事務長の許可を取ったというドラマの撮影が続いていた。 妻は羊水塞栓。赤ん坊を助けるための帝王切開に、俺は同意書へ名前を書く。竹内の「竹」の縦線は、二本とも途中で曲がった。そのあと、男は手術室の扉を蹴る。 ヘリの延長代は1時間20万円。殴った分は30万円。こども病院へ向かう保育器の台車は、監督に掴まれたまま動かない。 金を振り込み、床に額をつけても、まだ通してもらえなかった。 手術室の前で泣くのは、そんなに迷惑なことなのか。 赤いランプが消えて、扉が開いた夜。 俺は、泣くのをやめた。 全六話。カクヨムにも掲載します。

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小説を読もう2026/10/06
  • 現在の作品手術室の前で「泣き声がうるさい」と言われたので、泣くのをやめた