あらすじ
高校三年生・久世玲央は、歴史が好きだった。
好きなのは年号でも、難しい史料でもない。
織田信長。
豊臣秀吉。
徳川家康。
時代を動かし、何百年経っても名前が残る人間に憧れていた。
ある日の日本史の授業で、本能寺の変を学んだ玲央はふと思う。
――自分の先祖って、どんな人間だったんだろう。
家に帰って父親に聞くと、久世家は戦国時代から続き、先祖は織田信長の家臣だったという。
ただし、その名は歴史に残っていない。
祖母の家に残されていた古文書と、信長から授かったと伝わる一本の短刀。
そして古文書には、あり得ない名前が記されていた。
――玲央。
短刀に触れた瞬間、玲央は1582年へ飛ぶ。
そこは、本能寺の変を目前に控えた戦国時代。
未来を知る高校生が考えたのは、世界を救うことでも、歴史を守ることでもなかった。
「無名の先祖を、有名にしてやる。」
その軽い思いつきが、やがて日本の歴史そのものを大きく揺らしていく。
歴史を知る現代人が、歴史の中へ入り込む。
戦国タイムリープ物語、開幕。