あらすじ
「お姉ちゃん、それ莉乃にちょうだい?」
妹のその一言で、私の人生はいつも奪われてきた。
お気に入りの服も、進学の夢も、血の滲む努力で作った料理や作品の手柄も。
そして最後には、誠実だと信じていた婚約者までも。
妹の引き立て役兼、SNSの「ゴーストライター」として使い潰された私――真壁栞は、妹の結婚式前夜、口封じのために非常階段から突き落とされて命を落とした。
両親は冷たくなった私を一瞥し、「これで莉乃の邪魔者が消えた」と笑っていた。
――けれど、次に目を覚ますと、高校卒業直後の春に戻っていた。
ドアを開けて入ってきた妹は、1周目とまったく同じ無邪気な顔でねだってくる。
「お姉ちゃん、その大学の枠とバッグ、莉乃にちょうだい?」
泣いて縋るかつての私はもういない。私は穏やかに微笑んで差し出した。
「ええ、いいわよ。ぜんぶ莉乃ちゃんにあげる」
欲しいなら、すべて譲ってあげましょう。
虚栄心で膨れ上がったSNSアカウントも、中身がモラハラ男の元婚約者も、過干渉な姑も、老後資金を溶かす毒両親も。
――ただし、誰一人として逃げられない猛毒を仕込んで。
一方、1周目で唯一私の死の真相を追ってくれていた謎の青年・黒木蓮と再会した私は、なぜか彼から過保護なまでの執着と溺愛を向けられることになり……?
「俺を利用しろ。その代わり、最後は俺の隣にいればいい」
力でねじ伏せるのではなく、相手自身の「底なしの見栄」と「承認欲求」を暴走させて自滅へと追い込む、痛快愛憎サスペンス。