あらすじ
体の中のAIが怪我も病気も勝手に治してくれる、二〇七七年の名古屋。十七歳の修理屋見習い・久我錠は、そのAIを入れずに生きてきた。
事故で死にかけた日、軍の試作品が、同意なしに体へ入ってくるまでは。
そいつは強い。折れた右腕を、錠の体より大きな異形に変えて、目の前の相手を叩き潰す。
ただし、錠が「許可する」と言わなければ、指一本動かさない。
そのかわり、一度言ってしまえば、「やめろ」と叫んでも止まらない。
〈右腕の戦闘使用を提案します。許可しますか〉
言えば勝てる。言えば、誰かの膝が砕ける。
抜こうとすれば死ぬ、と言われた。
軍は「試作の容れ物」を回収しに来る。保護すると言う組織は書類を作るばかりで、錠の希望を書く欄がどこにもない。
街では、治療AIの暴走で体が変わってしまった人たちが出はじめていて、国はそれを無かったことにしている。
誰も彼も、本人に聞かずに決めていく。
だから錠の返事は、だいたいいつも同じだ。
「勝手に決めんな」
言えば勝てる一言を、言いたくない少年の、近未来異能バトル。
初日は5話公開。以降、毎日21時10分に更新します。