あらすじ
普通の暮らしがしたかった。
安心して眠って、好きな人とごはんを食べて、明日の話をする。そんな暮らしが。
けれど、そこまでの道が、私にはなかなかわからなかった。
幼い日の家族のこと。居場所を探した日々。働くこと、結婚すること、別れること。そして、もう一度、誰かを好きになったこと。
遠い昔を思い出そうとすると、大きな出来事より先に、食べものの味や、小さな生きものの姿が浮かぶことがあります。つらかったはずの日にも、妙におかしなことがありました。
これは、主人公自身の記憶をたどり、幼い頃から今までを綴る自伝です。
うまく話せなかったことも、笑って話せるようになったことも、ひとつずつ書いていきます。
あの頃の私には、今日の私がどこで何を食べているか、きっと想像もつかなかったでしょう。
この先の私のことも、まだわかりません。
生まれてきた日のつづきを、今も生きています。
※主人公の記憶に基づいて綴っています。プライバシー保護のため、人物名・地名・時期・属性など、特定につながる情報は変更して記します。