あらすじ
華族・一之宮家。
外国との交流をいち早く取り入れ、大きく成り上がった名門武家である。
その一之宮家に仕える女中、薫子には一つだけ厄介な役目がある。
それは――跡取りである若旦那様の専属女中を務めること。
距離感のおかしい若旦那様。
しかも最近、私たちの周囲では奇妙な出来事が続いている。
見知らぬ女中。
不思議な電話。
そして、若旦那様に突然持ち込まれた急な婚約話。
一見すると何の関係もない出来事。
しかし、点と点はやがて一本の線となり――一之宮家を揺るがす大きな事件へと繋がっていく。
「薫子、俺はお前が好きだ」
「若旦那様。女中とは婚姻できません。別の方をお探しください」
「そこで諦めると思うか?」
忠実すぎる女中と、女中を溺愛する若旦那。
身分差なんてお構いなしの若旦那様と、あくまで仕事として接する薫子。
そんな凸凹な二人が、今日も不可解な事件に挑む。
恋も事件も、一筋縄ではいかない。
これは、そんな二人の事件簿である。