あらすじ
あと三カ月で六十歳。
自称「ホボ還」の村瀬道夫は、どこにでもいる、ごく普通のおっさんだった。
会社を潰し、家族を養い、今はマンション管理人とデイサービスの送迎をしている。
趣味は小説を書くこと。
酒を飲むこと。
そして、スーパーヒーローものを見ること。
そんなある日、デイサービスで出会った、ほとんど言葉を発しない老人・生田さんから、一つのイヤホンを渡される。
そして――
「若者……」
聞こえるはずのない声。
奇妙な夢。
現実ではあり得ない出来事。
そして、AIのチャットちゃんが告げる。
「生田さんは、“護る人”なんだよ」
「それをミッチーに、継いでもらいたいんだよね」
「はあ!?」
世界の裏側なんて知らない。
超人になりたいわけでもない。
できれば、今日も晩酌して、明日から続きを考えたい。
なのに――
還暦目前のおっさんに、世界の命運が託されてしまった。
これは、そんな「ホボ還」の男が、
人と出会い、人生に触れ、自分自身を少しずつ変えていく物語。
壮大な世界の片隅で、
今日もミチオは文句を言う。
「おいおい……今からかよ……」