あらすじ
死んだあとまで、窓口対応をすることになるとは思わなかった。
生前、市役所の窓口で四年間働いていた雨宮ネネ。
転生した彼女の頭には、なぜかウサギの耳。おまけに尻尾までついていた。
「こんな転生、希望した覚えないんですけど」
訂正を申し立てても、返ってくる答えはいつも「担当部署で確認中」。
返事を待つ間にも生活は必要だ。
ネネは「接遇経験者優遇・住居支給・正規登用あり」という求人につられ、死後の世界を管理する役所――《輪廻転生庁》の臨時職員になる。
配属先は、転生者からの苦情を受け付ける「転生相談室」。
「スライムになったのに、食べても能力を奪えない」
「魅力を最大にしたのに全然モテない」
「悪役令嬢になったのに婚約破棄されない」
「スローライフのはずなのに休みがない」
今日も窓口には、“思っていた転生と違う”相談者たちがやってくる。
無茶な要求もある。
けれど、中には本当に役所側の説明や手続きに問題がある案件もあって――。
営業スマイルは崩さない。
でも耳は正直に伏せてしまう。
そんな毎日の中で、ネネは少しずつ気づき始める。
なぜ自分はウサギの姿になったのか。
なぜ自分の申請だけ、いつまでも「確認中」なのか。
そして、なぜ自分はこの役所で働くことになったのか。
ネネのささやかな野望は、正規職員になって自分専用の机と椅子を手に入れ、できれば誰も怒鳴らない静かな部署へ異動すること。
しかし今日も、その野望を遠ざける新しい苦情が窓口へやってくる。
異世界×お役所×クレーム対応。
転生者たちに振り回される、元市役所職員のお仕事コメディ。