あらすじ
田中浩司、四十二歳。独身。職業、ライトノベル編集者。
悪役令嬢も、婚約破棄も、追放も。
異世界恋愛なら仕事で腐るほど読んできた。
そんな俺が目を覚ますと――十八歳の伯爵令嬢セシリア・コージェルになっていた。
しかもこのセシリア。
病弱な妹のために、幼い頃から何もかも我慢してきた、いわゆる『ドアマット令嬢』である。
そして転生初日。
父親からいきなり告げられた。
「お前は姉なのだから、妹に婚約者を譲りなさい」
……いや、なんで?
そもそも俺、昨日まで四十二歳のおっさんなんだけど。
二十歳のイケメン侯爵令息なんて――別にいらんけど。
ただし。
俺がいらないのと、妹が欲しがったから譲らなきゃいけないのは、まったく別の話である。
これは、異世界恋愛を何十本も担当してきたおっさん編集者が、自分自身で異世界恋愛のヒロインをやらされることになった話。
なお本人はまだ知らない。
他人の恋愛ならいくらでも編集できるが、自分の恋愛だけはどうにもならないことを。