あらすじ
《呪躯(じゅがい)》――身体の一部や魔力の性質が異質なものへ変化する、極めて珍しい現象。
北方辺境を治める公爵アレクシスもまた、触れた者の生命力を奪ってしまう呪躯を持っていた。
誰とも握手できず、誰かを抱きしめることもできない。
そんな彼が率いるのは、行き場を失った呪躯持ちが集められ、「呪いの騎士団」「厄介者の廃棄場」とまで呼ばれる騎士団だった。
そこへ一人の令嬢、セレナがやってくる。
彼女もまた、身体から生命力が漏れ続ける呪躯を持っていた。
そしてある日、セレナは偶然アレクシスの素手に触れてしまう。
本来なら生命を奪われるはずだった。
しかし――何も起こらない。
それどころか、二人が触れている間だけ、互いの呪躯は正常な状態へ戻っていた。
治療のため、毎日手を繋ぐことになった二人。
けれどいつしかアレクシスは、治療の時間が終わっても彼女の手を離せなくなっていく。
これは、誰にも触れられなかった冷酷公爵と、彼にだけ触れられる呪われた令嬢が、「必要だから」ではなく互いを求めるようになるまでの物語。