あらすじ
幼い頃から、他人も家族も自分も嫌いだった野薊まつり。モノクロで退屈な世界を色付けたのは、お隣に住む六つ年上のお姉さん――藤咲楓だった。
「まつりちゃんは赤が似合うね」
楓から貰った言葉も、赤いリボンも、まつりにとって大切なものになった。
初めてできた、好きな人だった。
まつりが十八歳になり、楓が教師になって、二人が先生と教え子になっても気持ちは変わらなかった。
楓ちゃんのお嫁さんになること。そして、楓ちゃんをお嫁さんにすること。それがまつりの夢だった。
楓ちゃんは、他の男と結婚した。
それでも、まつりの初恋は終わらなかった。
結婚式の日、まつりは楓に最後のプロポーズをする。
世界で一番好きな人に、世界で一番特別にしてほしかった。
これは、ひとりの少女の、歪んだ初恋の物語。