あらすじ

世界中で人気を集める没入型メカゲーム《クロスギア》。小学生の悠真は、ただゲームが好きな普通の少年だった。何度も失敗しながら戦い方を覚え、やがてトッププレイヤーの一人、MVPと呼ばれる存在になる。 ある日、ゲーム内に「ワールドボス」が出現する。同時に、その巨大な姿が現実世界にも虚影として投影された。街の人々はそれを目撃し、世界中で大きな話題となる。しかし、現実世界に実際の被害は起きなかった。 これは、ゲーム会社が秘密裏に進めていた「ゲーム世界から現実世界への逆方向接続実験」の一部だった。 実験が進むにつれ、ワールドボスは強くなり、プレイヤーは次々とゲームを離れていく。数百万人いたプレイヤーは減り続け、最後には悠真を含むごく少数だけが残った。やがてシステムは悠真を個別に呼び出し、彼の参加を必要とするようになる。 調査を進めた悠真は、プレイヤーの戦闘データそのものが実験に利用されていたことを知る。そしてゲーム世界で暮らす人々には、それぞれ家族や故郷があり、そこが彼らにとって本当の「世界」なのだと気づいていく。 会社は将来的な世界融合を目指していたが、危険な存在が現実世界へ出る可能性も考え、全プレイヤーのデータを統合した「最後の安全装置」、最終ボスを作り上げる。 最終ボスとの戦いはゲーム世界で行われる。過去のあらゆるデータを持つ最終ボスにも、悠真の次の選択までは完全に予測できない。悠真は最後の戦いに勝利し、現在の技術では二つの世界を安全につなぐことはできないと理解する。 悠真と開発者は、逆方向だけでなく、人間がゲーム世界へ入る接続も含め、世界をつなぐ技術そのものを停止することを決める。 ただし、《クロスギア》というゲームは消さない。ゲーム世界も、現実世界も、それぞれの場所で続いていく。 やがて悠真は学校と日常へ戻る。 パソコンの画面に、かつて遊んだゲームが映る。 「……じゃあ、普通に遊ぼう。」 二つの世界は、再びそれぞれの世界へ帰っていく。

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小説を読もう2026/10/06
  • 現在の作品《ゲームの向こうにいる君へ》 ――世界で一番強い小学生と、ゲームの中に生きる友達の話――