あらすじ

歴史好きの青年・鍋蓋翔次は、ある日突然、戦国時代の尾張へ転生した。 時は永禄三年――一五六〇年。 目の前には、あの桶狭間の戦いが迫っていた。 歴史を知る自分ならば、織田信長に味方すれば生き残れる。 そう考えた翔次だったが――。 「雨が来る」 「田楽狭間は危ない」 生き延びるために口走った何気ない言葉が、戦場の運命を狂わせた。 雨。 変わる陣形。 狂う戦局。 そして――織田信長、討ち死に。 その瞬間、翔次の知っていた「歴史」は消滅した。 未来を知っているからこそ戦えると思っていた。 だが、その未来そのものを自分の手で壊してしまったのだ。 もはや頼れるのは、歴史の知識ではない。 兵站、地形、外交、統治――。 「どうすれば負けないか」という、自分自身の知恵だけ。 そんな翔次を拾い上げたのは、桶狭間で勝利した今川義元だった。 「そなたには、天下を見通す眼がある」 こうして一介の百姓だった翔次は、今川家直属の軍師として召し抱えられる。 だが――。 信長亡き尾張で、翔次の知らない男たちが動き始めていた。 虎皮の陣羽織。 巨大な朱槍を振るう前田利家。 情報を操る滝川一益。 人を惹きつけ、物資を集める木下藤吉郎。 そして、誰よりも恐ろしい存在――。 「この者たちを、誰が動かしている……?」 歴史には存在しなかったはずの「魔王」が、尾張の闇から姿を現す。 戦えば負ける。 退けば生き残れる。 血を流さず、兵を失わず、国を守る。 それが、歴史を壊してしまった男・鍋蓋翔次の戦い方だった。 これは、信長が死んだことで始まる、もう一つの戦国史。 「俺の知っている戦国時代は、もうどこにもない――。」

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カクヨム
カクヨム2026/10/06
  • 現在の作品狂った歴史と、不敗の軍師 ~信長を死なせた男、今川家を支えて魔王に挑む~