あらすじ
写真を撮ることが好きな少年、景は、ある日、道端で一台の古いカメラを拾う。何気なくファインダーを覗いた景が見たのは、現実とはどこか違う、誰もいない街だった。興味本位でシャッターを切った瞬間、景はその「向こう側」へ迷い込む。
ようやく元の世界へ戻った景を待っていたのは、親友、遠藤悠真の
「……誰?」
という言葉だった。
それを境に、景の存在は少しずつ周囲から消えていく。
記憶から。記録から。
そして、
「写真」から。
何もかもを失いながら、景は再びカメラを手に取る。
ファインダーの向こうにいたのは、一人の少女だった。
彼女はなぜ、景を知っているのか。
一つのカメラが繋いだ二つの世界で、景は「残すこと」と「覚えていること」の本当の意味を知る。