あらすじ
名門アステシア家の長女アリスは、幼い頃から何をしても人より優れていた。
学問だけでなく、料理や錬金、鍛冶にまで興味を持ち、周囲から寄せられる期待は大きくなるばかり。その一方で、妹のリリーはいつも優秀な姉と比べられ、自分には何もないと思い込むようになっていた。
妹を大切に思っているのに、自分がいることで苦しませているのではないか。
そんな悩みを抱えるアリスにとって、幼馴染のクロドだけは昔から変わらない存在だった。アステシア家の優秀な長女としてではなく、一人のアリスとして接してくれる彼との時間は、いつしか彼女にとって特別なものになっていく。
そして迎えた、アリスにとって初めての記念舞踏会。
本来なら華やかな一夜になるはずだったその日、リリーの姿は会場になかった。
それをきっかけに、アリスはこれまで目を逸らしてきた妹との関係、家族から向けられる期待、そしてクロドへ抱いてきた想いと向き合うことになる。
大切な人を想うからこそ、選ばなければならないものがある。
そしてアリスは最後に、クロドへ告げた。
「貴方のことが嫌いだし、自由になりたいから出ていくことにしたわ」