あらすじ
「たった三年だろ!」
小隊長になったらプロポーズする。その約束を信じて、軍服を繕い、書類の計算まで手伝ってきました。 けれど、二十一歳の誕生日。ようやく現れたルパート様は、私の用意した夕食を断って、後輩令嬢の手作りマフィンを褒めたのです。
欲しかったのは、立派な指輪ではありません。一緒に食事をして、結婚の日取りを決めたかっただけ。 それすら「邪魔」と仰るのなら、もう結構です。
仮の指輪を引き出しへ放り込み、迎えを待たずに出かけた夜会。 一人で立つ私に手を差し出したのは、『氷の軍監』と恐れられるハルデンベルク伯爵でした。
「私とご一緒で、よろしいのですか?」
「君を誘っている」