あらすじ
フリーランス二年目の俺、三好律(三十二)は、確定申告の相談で税理士事務所の扉を叩いた。
出てきたのは、大学の写真部で十年前に世話になった先輩、柏木千佳(三十四)だった。
申告書を仕上げたあと、千佳さんは別の書類を出した。
「お願いがあります。結婚はしません。子供だけ、あなたのが欲しい」
三十五までに産むと決めていること。結婚を信用していないこと。遺伝子だけは、信用できる人のがいいこと。
「十年前、写真部で一番嘘をつかなかったのが、あなただった」
契約の条件は、妊娠するまで、月に一度、排卵日の夜だけ。
「今日が、その日です。だから今日、連絡しました」
俺は契約書に判を押した。終わりが決まっている関係だと、分かっていた。
※性行為の直接描写はありません。行為中の会話と事後の情景で描きます。