あらすじ
昼は設備を監視し、異常があれば現場へ走るオペレーター。
そして勤務後や休日には、霊や怪異を処置する「霊界オペレーター」。
二つの仕事を掛け持ちする悠太郎は、ある夜、閉鎖された病院で「存在しない404号室」を発見する。
その奥に現れた黒い扉に呑み込まれ、辿り着いたのは――見知らぬ異世界の「霊界」だった。
そこには、何百年も消えることなく残り続ける死者たち。
そして生者の世界には、魔法、魔物、勇者、魔王が存在していた。
同じ頃、この世界には日本から一人の少年が「勇者」として正式に召喚されていた。
だが、悠太郎は勇者ではない。
選ばれた英雄でもない。
世界を救う使命なんてものもない。
手元にあるのは、三十センチのスパナ一本。
そして霊力と、現場で培った観察力と判断力だけ。
元の世界へ帰る方法を探す悠太郎だったが、やがて一つの異常に気づく。
――この世界では、死者が正常に消えていない。
勇者と魔王が戦う物語の裏側で、誰にも見えていなかった異常を追う、霊界オペレーターの異世界譚。