あらすじ
「世界線の設計を依頼したい。」
執着紳士な宰相の“とある願いの成就”のため、男性主人公の設計士が異世界で世界線設計をするお話です。現地勤務。帰宅可。実生活への支障無し。報酬有り。肩書有り。風呂有り。
「マリク。……あれは、本当にあなたの姿だったのか?」
スカラベの眼が光り、優斗の視界は眩しく白んでいった。
しばらくすると、優斗の視界から、光がゆっくりと落ち着いていった。
目の前には、広く深い色の机。整理された紙束。ペンとインク。定規に算盤。見慣れた執務用品だった。ただし――。その質感が、やけに良い。製図用品店というより、高級文具店で扱われていそうな品ばかりだった。
「世界線を書けるのは、外からの者のみだ。」
これは、あるヴィランと設計士による、「夜明け前の三カ月」の物語である。