あらすじ
機械科に入学して半年。
主人公の「俺」は、旋盤実習を繰り返す日々に退屈さを感じていた。
金属を削り、寸法を測り、また削る。
失敗すれば材料を無駄にし、少しでも削りすぎれば元には戻せない。
そんなある日、幼い頃に亡くなった祖父の言葉を思い出す。
「機械っていうのはな、人間ができないことを手伝ってくれるんだ」
祖父はかつて小さな町工場を営んでいた。
その工場には、今も一台の古い旋盤が残されている。
祖父の工場を訪れた主人公は、そこで錆びた旋盤のハンドルを見つける。
――これを、自分の手で作り直したい。
失敗とやり直しを繰り返しながら、主人公は一つの部品を完成させていく。
金属を削ること。
ものを作ること。
そして、自分自身と向き合うこと。
一つの旋盤と、亡き祖父との思い出が、一人の少年の「ものづくり」への気持ちを変えていく。