あらすじ
スラムで生まれ育った孤児の少年、クルセス。
拾われた彼は伯爵家の養子となり、今ではパウリー公爵家で執事見習いとして働いている。
そんなクルセスが幼い頃から仕えてきた相手は、公爵家の一人娘――オリビア・パウリー。
学問も剣術も魔術も優秀で、誰もが認める完璧な公爵令嬢。
クルセスにとっても、何より大切な主人であり、幼馴染だった。
だからこそ、彼女から突然とんでもないことを告げられた時、クルセスは当然のように困惑する。
「セス。私と結婚して」
公爵令嬢と、元平民の執事見習い。
身分が違いすぎる。
立場が違いすぎる。
どう考えても無理がある――はずなのに。
肝心のオリビアには、諦める気などまったくなかった。
しかもクルセス自身にも、ひとつ大きな問題がある。
剣を握れば強い。
魔術を使わせれば規格外。
執事としても優秀。
それなのに本人だけが、自分を「少し器用な普通の執事」くらいにしか思っていない。
やがて二人を取り巻く環境が変わり、新たな出会いや騒動が次々と舞い込んでくる。
けれど、どれだけ周囲が騒がしくなっても、オリビアが望むことはただひとつ。
大好きな幼馴染の隣にいること。
これは、自分の恋心にはとことん鈍い元平民の執事見習いと、そんな彼を絶対に逃がすつもりのない公爵令嬢が織りなす、身分差あり、すれ違いあり、時々規格外な学園ラブコメディ。
――公爵令嬢様。
俺を婚約者にするのは、さすがに無理がありますって!