あらすじ
芸能事務所でマネージャーとして働く相馬直人には、二人の大切な女性がいる。
女優の雨宮志乃と、タレントの宮瀬琴葉。
二人から向けられる笑顔も、優しさも、「愛している」という言葉も、直人はずっと本物だと信じていた。
ある日、二人の過去を知る男――榊原龍司の存在を知るまでは。
一度芽生えた疑念は、少しずつ直人の日常を侵食していく。
彼女たちは、人に感情を見せることを仕事にしている。
笑顔を作れる。泣くこともできる。愛しているように振る舞うことだってできる。
――なら、自分に向けられているものだけが本物だと、どうして言い切れる?
信じたい。
それなのに、信じられない。
そしてようやく二人と向き合おうとしたその日、直人は偶然、志乃と琴葉、そして龍司の三人が一緒にいるところを目撃する。
数日後。
彼は、事務所から姿を消した。
これは、愛されていることを信じられなかった男と、愛していることを信じてもらえなかった二人の物語。