あらすじ
戦争によって大地が荒廃してから、千年以上。
森林保護を目的とした条約によって地上には広大な森が広がり、人々は空に浮かぶ都市で暮らすようになっていた。
空を飛ぶために必要なのは、人々から『ツバサ』と呼ばれる飛行装置。
しかし、その翼を持つことが許されるのは一部の人間だけだった。
かつて空中都市で暮らしていた少年は、ある出来事をきっかけに翼を失い、地上で暮らすことになる。
地上の学校へ通いながら、彼は自分の居場所を探していた。
そんな彼の前に現れるのは、幼い頃から彼を支えてきた空中都市の少女。
そして、かつて翼を持ちながら、自らそれを手放した少女。
翼を持つ者。
翼を持たない者。
飛びたい者。
飛びたくない者。
それぞれ異なる思いを抱えた仲間たちと出会い、少年は新しい『翼』を作り始める。
それは、失った翼を取り戻すためだけのものではなかった。
誰もが、生まれた場所や身分に縛られることなく、自分の行きたい場所を自分で選ぶための翼。
やがてその翼は、空中都市と地上という社会の境界だけでなく、学校、仕事、住む場所、そして人々の価値観までも変えていく。
けれど、自由とは本当に『選択肢が増えること』なのだろうか。
飛ぶ自由。
飛ばない自由。
やり直す自由。
迷い続ける自由。
そして、自分とは違う未来を選ぶ誰かを認める自由。
空を舞台に始まった少年たちの挑戦は、いつしか『人はどう生きるべきなのか』という問いへと変わっていく。
これは、失った翼を取り戻す物語ではない。
自分自身の未来を、自分の手で選び取っていく少年少女たちの、青春と成長の物語。
――僕等には未来へ羽ばたく翼がある。