あらすじ
世界が生まれるより前。
そこには闇も光も、時間も空間も、そして「無」という概念さえ存在しなかった。
しかし、名もない場所に一つの矛盾が生じる。
「何も存在しないのなら、『何も存在しない』という事実は存在しているのではないか。」
その問いから空間が生まれ、時間が生まれ、やがて最初の神、**天之御中主神(アメノミナカヌシ)**が現れる。
だが、最初の神には一つだけ分からないことがあった。
なぜ、自分は存在するのか。
答えを求め、アメノミナカヌシは世界の始まりを巡る。
氷と炎から生まれた原初の巨人。
混沌から現れた大地。
原初の海より現れた創造神。
天地を切り開く巨大な存在。
後に人類が異なる「神話」として語り継ぐことになる者たち。
しかし、彼らもまた知らなかった。
自分がなぜ生まれ、なぜ世界が存在するのかを。
やがてアメノミナカヌシは、一つの決断をする。
神々に答えられないのなら、これから生まれる者たちに託そう。
海を、大地を、生命を。
そしていつの日か、
「なぜ?」と問うことのできる存在を。
これは神が人間へ世界の答えを教える物語ではない。
答えを持たない神々が、その問いを人類へ託すまでの物語。