あらすじ
もし人体のような世界があるなら、それはどんな場所なのだろうか
薬剤師を目指していた一人の高校生は、大学入学を目前に命を落とした。
次に目を覚ました彼がいたのは、大正時代を思わせる和洋折衷の不思議な街――「杏林市」。
そこで彼は、運搬士・李仁(りひと)として新たな人生を歩むことになる。
ある日、同僚の純とともに訪れた温泉街で、一人の大工が転落する事故に遭遇した。
しかし、どうも様子がおかしい。
聞けば最近、現場では大工たちが次々と倒れ、原因不明の体調不良に見舞われているという。
さらに、現場で鏡が割れたことをきっかけに、「呪いではないか」という噂まで広がっていた。
――これは、本当に呪いなのか?
薬学と科学の知識を持つ李仁は、患者たちの症状と現場に残された痕跡から、独自に原因を探り始める。
異形の怪物「テリウム」。
科学と薬学、そして呪いが共存する街。
そして、どこか奇妙な構造を持つ「杏林市」。
この街には、まだ誰も知らない秘密がある。
病も、謎も、呪いも。
薬師志望の青年は、そのすべてに推理という名の処方箋を探し出す。
これは、不可思議な街「杏林市」で繰り広げられる、異世界異聞ミステリー。