あらすじ
今から百年前。
サブユラ王国では、婚約者による婚約破棄が相次ぎ、多くの貴族女性が苦しめられていた。
そんな時代に立ち上がったのが、後に「革命の母」と呼ばれるカマルプール・イェレヴァンだった。
彼女は自ら受けた婚約破棄をきっかけに、婚約者への壮大な復讐を果たす。
それを皮切りに、婚約破棄された女性たちが次々と婚約者への復讐を始めるようになり、やがてそれは王国全体を巻き込む一大ムーブメントとなった。
男が圧倒的に有利だった貴族社会は一変し、女性の権力が大きくなっていく。
そして現在。
サブユラ王国では、婚約破棄を恐れる男たちが肩身の狭い生活を送っていた。
貴族の青年フェンダも、その一人だった。
幼い頃から仲の良かった幼馴染、レイヴン。
しかし彼女は十歳頃から突然「男なんて最低」と言うようになり、今ではフェンダを見るたびに舌打ちするようになっていた。
それでもフェンダは、八年経った今も彼女のことを忘れられない。
このままでは、好きな相手に気持ちを伝えることすらできない。
そう考えたフェンダは、友人クルスと共に、女性ばかりが力を持つこの国を変えようとする。
しかし、彼らが反抗を決意した矢先、同じように女性社会へ反抗した男が捕らえられる。
その男を待っていたのは、あまりにも過酷な運命だった。
現実を目の当たりにしたフェンダたちは、自分たちだけでは何も変えられないと悟り、反抗を諦める。
そして自室へ戻ったフェンダの前に、なぜかレイヴンが現れる。
いつものように自分を嫌っていると思っていた彼女は、涙を浮かべながら告げる。
「本当は、あなたのことずっと好きだったの」
百年前に始まった「婚約破棄への復讐」。
それによって大きく変わった王国で、二人の男女はようやく、本当の気持ちを伝えようとしていた。