あらすじ
大学一年生の相馬日和は、何事にも興味を持てない少女だった。
そんな彼女が、入学式の日に出会った一人の先輩――寺谷侑芽にだけ、なぜか心を惹かれる。
いつも明るく笑っている、誰からも好かれる女の子。
日和は、彼女の笑顔をもう一度見たいと思った。
彼女が笑う以外の顔も知りたいと思った。
けれど、侑芽には日和の想いに応えるつもりなどなかった。
侑芽は男の子と付き合うことに何の疑問も持たない、いわゆる「普通の女の子」だった。
告白されれば、相手を好きでなくても、「誰かに愛される」という感覚が嬉しくて付き合ってしまう。
――それなのに、自分が誰かを好きになるということだけは、どうしても分からない。
「恋って、そんなに大切なものなの?」
そんな先輩を好きになった日和は、やがて自分の気持ちを諦めることを選ぶ。
忘れよう。
これ以上、先輩を好きにならないようにしよう。
そう決めたはずだった。
それでも、一度知ってしまった恋は、簡単には忘れられない。
恋を知らない先輩と、恋を忘れられない後輩。
正反対の二人が、少しずつ「好き」という感情の意味を知っていく、二人の少女の恋の物語。