あらすじ
ネタバレ注意↓
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1
日記を読み終えると、枕元に小さな白い錠剤と、水の入ったコップが置いてあることに気づいた。付箋には『毎朝必ず飲むこと』と妻の字で書かれている。私は何も疑わず、その薬を喉の奥へと流し込んだ。
2
その拍子に、彼女の手元から一枚の書類がひらりと落ちる。そこには私の顔写真と共に、見たこともない外国の文字と、私の本当の氏名や生年月日といった個人情報がびっしりと記載されていた。まるで、私という人間をどこかへ売り払うための取引名簿のように。
3
2枚目のアルバムを見ると、少し古い写真だった。そこには、色とりどりに色々な服を着た昔の自分と、最近会ったあの冷たい妻とは違う、太陽のように優しく笑う女性が楽しそうに私とピースしていた。
その瞬間、脳裏に激しい痛みが走る。――そうだ、私の本当の妻は、あの優しい彼女だ。じゃあ、今上の階にいるあの女は、一体誰なんだ?
4
背後で、激しくドアが開く音がした。
振り返ると、そこには鋭い注射器(または薬の染み込んだハンカチ)を手にした偽の妻が、般若のような形相で立っていた。
「見ちゃったんだ」
彼女が私の身体を押し倒す。首筋に鋭い痛みが走ると同時に、視界が急激に歪んでいく。薄れゆく意識の向こうで、「動くな!警察だ!」という激しい怒号と、何かが激しく破壊される音が遠く響いた気がした。