あらすじ
作者自身、実際に考古学・埋蔵文化財に関わる仕事に携わっており、発掘調査や遺物整理、資料の記録・保管といった現場を知る立場から本作を執筆している。
発掘された土器は、土の中から出てきた時点で役目を終えるわけではない。
誰かが掘り出し、 誰かが洗い、 誰かが番号を付け、 誰かが記録し、 そして誰かが保管する。
その一つひとつの作業のどこかに、小さな空白が生まれたとき。
本来、過去を記録するはずだったものが、 今起きている出来事の証拠になっていく。
これは、一つの土器片をめぐって、少しずつつながっていく小さな歴史である。