あらすじ
高校二年生の神崎湊には、忘れてしまった記憶がある。
十年前、兄を探して学校で迷子になった幼い湊は、そこで一人の少女が殺される瞬間を目撃していた。
けれど、その日の記憶だけが、湊の中から消えている。
そして十年後。
兄と同じ高校へ進学した湊の前に、一人の少女が現れる。
「ねえ、湊。私のこと……覚えてる?」
少女の名前は、水城透花。
十年前、この学校で死んだ少女だった。
事故として処理されたはずの彼女は、自分がなぜ死んだのかを覚えていない。
湊は透花と共に、十年前の事件を調べ始める。
消えた記録。
食い違う証言。
事件を知る学校関係者。
そして、少しずつ蘇っていく湊自身の記憶。
調べれば調べるほど、十年前の「事故」には隠された真実があることが分かっていく。
その一方で、湊と透花の距離も少しずつ近づいていく。
けれど、透花には一つだけ分からないことがあった。
――私は、誰に殺されたのか。
これは、十年前に殺された少女と、彼女を忘れてしまった少年が、過去の事件と向き合いながら紡いでいく、青春恋愛ミステリー。