あらすじ
死者たちが暮らす世界――《冥世》。
ここでは死んだ人間も、食べて、働いて、眠って、暮らしている。
ただし、現世から自分を覚えている人が一人もいなくなれば、《第二死亡》を迎える。
そんな《第二死亡》にまつわる手続きを扱う役所で働く、地味な青年・山田太郎。
見た目は二十代。
冥世歴は、100年以上。
彼の窓口には今日も、様々な死者がやってくる。
現世での評価が下がったと怒鳴り込んでくる織田信長。
その家計を四百年以上管理し続ける森蘭丸。
そして、たった一人に覚えられていることで冥世に留まり続ける、名もなき死者たち。
有名でも、無名でも。
英雄でも、ただの誰かでも。
誰かの記憶に残っている限り、まだ“その先”には行かない。
忘れられることは、死ぬことなのか。
誰かの中に残ることは、生きることなのか。
笑って、働いて、ときどき別れて。
これは、死んだ人たちの“その後”を扱う、冥世のお役所物語。