あらすじ
「君の才能は本物だ。だからこそ、私たちの結婚式を任せたい」
一年前、「毒を盛った」という濡れ衣を着せられて婚約破棄された悪役令嬢エレノア。前世の記憶(ウェディングプランナー歴十年、担当八百組)を武器に婚礼請負業を始めた彼女のもとに、ある依頼が届く。よりにもよって、自分を捨てた元婚約者の王子と、冤罪をでっち上げた張本人である男爵令嬢ミレイユの結婚式だった。
季節外れの白薔薇で大聖堂を埋め尽くせ。招待客は五百人。お色直しは二回。
無茶な注文をすべて完璧にさばいたエレノアは、最後にひとつだけ提案する。「王家にふさわしい格式」として、百年ぶりに古式の誓約儀式を復活させること。聖火の前で唱える誓いの言葉は、ただひとつ。
「これまで互いのため、いかなる偽りも用いなかったことを誓う」
誓いに偽りがあれば、炎は黒く染まるという。もちろん、ただの古い言い伝えだ。少なくとも、新郎新婦はそう信じている。
私は一度も嘘をつかない。嘘をつくのは、誓う二人だけ。
元ウェディングプランナーの悪役令嬢がお届けする、一分の遅れもない完璧な結婚式。開幕です。